2010年10月1日金曜日

東京外為市場?15時=ドル92円後半、ドル/円は上値の重い推移

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円
午後3時現在 92.65/69  1.2643/46  117.17/19
正午現在   92.68/69  1.2641/45  117.16/18
午前9時現在 92.78/84  1.2638/41  117.28/33
NY17時現在 92.70/75  1.2640/43  117.29/35
 [東京 12日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の92円後半で推移している。軟調な株価をにらんでリスク回避ムードがくすぶり、クロス円主導でドル/円も上値の重い推移になった。ギリシャ問題を受けた市場の混乱の余波がまだ残っていることに加え、ゴールドマン?サックス<GS.N>問題も意識されたという。
 ドル/円は、朝方の上値トライを92.94円で押さえこまれ、上値の重さが意識された。上海総合指数が年初来安値を更新し、米国株先物も軟調に推移した一方、安全資産の金先物は最高値を更新。「ギリシャ問題を背景にしたパニックのあとで、まだ市場が安定していない。リスク回避ムードがくすぶってクロス円の下値が固まらず、ドル/円を圧迫している」(クレディ?アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斉藤裕司氏)という。
 ウォールストリート?ジャーナル紙がモルガン?スタンレー<MS.N>がモーゲージデリバティブの取引で当局から調査を受けていると伝えたことでリスク回避の動きが強まり、ユーロ/円は一時116.57円まで売られてきょうの高値(117.65円)からは1円を超える下げとなった。ゴールドマン?サックスが証券化商品の取引に絡んで刑事訴追を受けたことで、市場にはこうした動きが他の金融機関にも広がるのではないかとの懸念が
くすぶっていた。
 <GS問題の他金融機関への広がりを予想する声>
 ゴールドマン?サックス問題について、草野グローバルフロンティアの草野豊己氏は、当局が破たんしたリーマン?ブラザーズや公的救済を受けたシティ?グループ<C.N>への調査を経て金融機関の取引方法に精通したとみて、GSへの追及は非常に厳しいものになると予想している。
 米ゴールドマン?サックス<GS.N>はサブプライムローンに関する債務担保証券(CDO)を顧客に販売する一方で、それに関する「重要な情報」を顧客に告げず、そのCDOの価格下落で利益が得られる取引を行っていたと批判されている。
 2007年初めにサブプライム問題が表面化したあと、2008年秋にかけて変動住宅ローン金利の上昇が相次ぐため問題が悪化するとの予想は当時から広がっていた。草野氏はGSとヘッジファンドのポールソンがこれを手掛かりに取引をしたとみている。
 草野氏によると、サブプライムローンのCDSを原資産とする合成CDOを顧客に販売し、ポールソンが原資産のCDSの買い手となることで、サブプライムローンのこげつきで発生するクレジットイベントにより顧客はCDOの一部売却で決済を迫られ、ポールソンが評価損相当額を受け取った。さらにポールソンはこの合成CDOに関するCDSの取引も行ったという。GSなどが、ポールソンがCDSの買い手であることを隠して顧客にCDSの売り手となるよう要請。CDSのクレジットイベント発生でポールソンが利益を得るとともに、GSも合成CDOの組成益などで利益を上げたとみている。
 草野氏は「CDS契約は原資産を持っていなくてもできる点がこれらの取引のポイント。クレジットイベントの発生しそうなCDSを買いたいためにCDOを組成するような形になっていた」と指摘。同じような方法で取引したのはゴールドマン?サックスだけではないとみて、7─8月にはさらに別の金融機関に追及が広がると予想している。さらに、これが金融規制強化に動いている政府を後押しし、ヘッジファンド規制を含めた厳格な金融規制につながると警鐘を鳴らしている。 
 <リスク回避の米債買いで米長期金利伸び悩み、ドル/円の上値重い>
 ギリシャ問題を受けた安全資産への逃避から米10年債利回りは6日に一時3.27%まで急低下。EUの救済パッケージを受けてその後はやや水準を戻したものの、低水準の利回りのなかで行われた11日の3年債入札では応札倍率が3.27倍と堅調な需要を集めている。きょうは240億ドルの10年債入札が行われるが、アジア株の軟調もあって足元の10年債の気配は3.50%前後と米国市場終盤(3.53%)よりむしろ弱含んで推移した。4月の米雇用統計など米国指標の改善は目立っており「米景気は想定以上のスピードで回復している」(日興コーディアル証券為替ストラテジスト、松本圭史氏)というが、米債市場では質への逃避が先行している。
 日興コーディアル証券の松本氏は「EUによる緊急パッケージで流動性リスクは遮断できたが、ギリシャやポルトガル、スペインなどの財政再建が順調に進むかどうかは予断を許さず、不透明感が残る。こうした状況では米金利も上がりにくい」とみている。
  (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

【関連記事】
? ドル92.70円付近、再び高まる中国人民元の切り上げ観測
? 東京マーケット?サマリー?最終(11日)
? 東京外為市場?15時=ドル92円半ば、EU支援策でもユーロ/ドルの下値不安続く
? 東京外為市場?15時=ドル92円後半、リスク回避一服でユーロにも買い戻し
? 東京マーケット?サマリー?最終(7日)

引用元:新·天上碑(Tenjouhi) 情報局

0 件のコメント:

コメントを投稿